イギリスの俳優ベン・ウィショーの情報やベンについて。映画, 文学、美術、音楽、自然・・・ベンに通じると思われる美しいものすべて。副題はジョン ・ キーツの詩「エンディミオン」冒頭 より
by ulala1014cat
カテゴリ
全体
映画
舞台
インタビュー

写真
ニュース
ラジオ
その他
未分類
最新の記事
5年間ありがとうございました..
at 2014-10-14 19:45
Cheers ☆
at 2014-10-14 00:08
ベンママ、レッドカーペットで..
at 2014-10-14 00:07
今見ても瑞々しい ☆ Ham..
at 2014-10-13 00:07
Lilting ☆ フランス..
at 2014-10-13 00:07
I miss you so~..
at 2014-10-12 00:07
Ice Bucket Cha..
at 2014-10-11 00:07
韓国ではもう公開になっている..
at 2014-10-10 00:07
Juliet さんもライダー..
at 2014-10-10 00:07
毛玉の赤スゥェーター  ☆
at 2014-10-09 00:07
検索
記事ランキング
お気に入りブログ
ベン・ウィッシュな休日Ⅱ...
画像一覧
タグ
(35)
(17)
(15)
(12)
(11)
(11)
(11)
(10)
(10)
(9)
(8)
(8)
(8)
(7)
(7)
以前の記事
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2010年 05月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
ライフログ
その他のジャンル


タグ:レビュー ( 8 ) タグの人気記事

ベン・ウィショー出演      映画 『ブライト・スター』 を観る

c0218664_1350533.jpg














難しい総評
11月のロンドンで公開中のブライト・スターを観ました。
レビューを書くのをとてもとても難しく感じています。なぜなら、製作の話が出てから2年以上も待ち焦がれていた作品で、期待は膨らみに膨らみ、キーツの生涯、キーツの詩をかなり予習し、YouTubeに出回ったどの関連動画も何回も何回も舐めるように観て、本編のポテンシャル以上の期待を持ちすぎたため、思い入れが溢れるように強くて・・・・・。しかも、映画自体はキーツの伝記映画ではなく、ヒロイン、ファニー・ブローンの目を通した恋愛映画なので、熱烈なキーツ・ファン、ベン・ファンにはもの足りなく感じてしまうかもしれないさらりとした作品だからです。c0218664_13572818.jpg


ジェーン・カンピオン監督も何度もこれはキーツの伝記映画ではなく、ファニーの視点から描いた恋愛映画であると力説していました。今までセクシュアルに官能的な女性映画を撮ってきた監督ですが、この映画での官能は、逆にセクシュアルにしないでプラトニックにも近い、制約のある中でのファニーとキーツお互いの恋焦がれる思慕を、抑えた演出で、客観的な、しかし素晴らしく美しい映像によって表現したかったようです。

官能的な手紙
でも、とにかくベン目当てで観た私は映画館に3回足を運び、ベンの出演シーンだけはまたも舐めるように観ました。そして感じたのは、詩の内容は断片しか出てこないこともあり、予習したわりにはそれほどピンと来なかったものの、ベンもインタビューで何度も語っているように、キーツからファニーに宛てた手紙の内容がそれこそ官能的に素晴らしく、あのような手紙を生涯に一通でも恋人からもらったら、絶対に死ぬまで大事にする宝物になるだろう ♪ というくらいの言葉の美しさ☆☆☆
c0218664_14145855.jpg

          スコットランドに旅行に出たキーツからの手紙を読むファニー


手紙の文面

親愛なる貴女へ

今僕は小高い丘や海が見える美しい眺めの、とても気持ちのいいコッテージの窓に座っています。

朝がまたとてもいい。

あなたへの想いを抱いていなかったら、こうも僕の気持ちが素直で
ここでの生活がこんなにも楽しいものになったかどうか・・・?

残酷だとは思いませんか?僕に魔法をかけ、僕の自由を奪ってしまったのですから・・・

どうやって美しいものへの献身を言葉にしたらいいのかわかりません。
輝やくという言葉以上に輝かしい言葉を、麗しいという言葉以上に麗しい言葉が僕には必要です。


僕たちが、夏の間たった3日の命しかない蝶々であったらと思います。
あなたとなら、普通に50年生きるよりも素晴らしい3日であるに違いありません。


(映画ビデオクリップより私訳)

*******

ズキュ~ン!
ノックアウトでしょ???
[PR]
by ulala1014cat | 2010-01-10 14:27 | 映画

『Cock 』 を観る その7

役者の上手さ
c0218664_947242.gif
Ben Whishaw, Katherine Parkinson, Andrew Scott, Paul Jesson

すっごく実力が拮抗したキャストだったと思う。ベンも相手に不足なし、って感じ・・・。
もちろん、ベンの浮世離れした演技はどんなに上手い役者とも違う次元のものなので、そのベンの演技に他の役者も引っ張られて、普段でもハイレベルな演技力に加えてそれ以上のプラス α が加わった舞台になっていたと思う。(褒めすぎかしら?・・・笑)

W 役 Katherine と F 役 Paul は以前ここ同じロイヤル・コートの『Seagull かもめ』でも共演したらしい。(上演台本のプロフィールより)。そして Katherine はこのほど、 Best Comedy Actress Award をもらったらしい。
テレビの 人気番組 『The IT crowd』 というのでもとってもいい味出していたそうです(ITの会社を舞台にしたコメディで、YouTubeでちょっと断片が観られる)。

ベンも、BBCのドラマ『クリミナル・ジャスティス』で国際エミー賞に輝いたし、おめでたい☆

プロフィールによると、Andrew Scott も 舞台ではオリヴィエ賞、 アイルランドのFilm&TV Award で男優賞を受賞している。今度、BBCの 『Naked Lennon』 という作品にポール・マッカートニー役で出るらしいです。

イギリスの Gay 事情 
一番驚いているのは、M の父 F の、息子に対する寛大さ!
まあ、7年間同棲した相手と別れることになるか否かの、一人息子の一大事に駆けつけるわけだし、M の母親も亡くなって一人暮らし、という設定なので思いやりも深くなっているのだろうが、あんなにも‘Gayのカップル’ということに偏見がなく寛大なのか?と、びっくりした。「ノーマルな生活が・・・・」とか「本当に血のつながった孫が・・・」というようなセリフも出てくるけれど、「私は本当に二人(我が息子とJohn)が幸せになるのを望んでいる」というのが言葉からも言外にも感じられる。

と書いて気づいたけれど、やはりこれも作者 Mike Bartlett のひねりなのかもしれない。本当はイギリスも社会として偏見はまだまだあるけれど、この父親を通して踏み絵のように試そうとしているのかも・・・・・?

(どなたか、Gay事情に詳しい方、ご存じでしたら教えてください。)


毎日違う観客のバイブ
今回、幸運にも3夜連続して同じ芝居を観ることができた。
毎日、客層も微妙に違うし、それによる役者の乗りも違う、役者同士のアンサンブルのバイブも違う。それ自体も面白かった!

客層は、一日めは、若い客が多く、(私も初めてだったし)、何となく笑いにも遠慮があるように思った。総じて一番笑いが少なかった。2日めは、ゲイらしきカップル、年配の男性が多く、笑うポイントが絶妙だった。最後のカーテンコールで、「ブラボー!」が出た。3日めは、男女ともに年配の連れ立った二人連れ、一人で来ている演劇ファン、演劇人らしき人たちが多く、とにかくよく笑って、S☆Xシーンでももうものすごい笑い方だった。
カーテンコールでも、ヒューヒューと囃す声(大向うがうなった感じだった)。

ベンの演技も前2日と3日めが、(私には)明らかに違って感じられた。前2日はちょっと甘えて甘ったるい感じの演技だったが、3日めはちょっと突き放してふてくされた感じの演技。ふさぎ込んで泣く時もかなり深く入ってしまっていた。全体で40回くらい上演するので、毎回色々と試し甲斐はあるだろうなあ、と思った。またそうしないと自分でもつまらないのだろうと・・・・・。

公演=大成功!
会場を後にする時の気持ちは、どこかのレビューでも書かれていた、若い才能が結集!作者と役者と演出家の絶妙のアンサンブル!パイン材で作られた客席さながら、IKEA の家具さながらの爽快感☆だった。

*****
いやー、こんなに満足感の得られる舞台、役者ぞろいの舞台がたったの15ポンドで観られたイギリス演劇界の懐の深さにも感銘を受けずにはおられない稀有な体験をさせてもらいました!
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-19 09:56 | 舞台

『Cock 』 を観る その6

泣いちゃうラスト
c0218664_21214457.jpg
この写真は三幕の最後の方の、W があきらめて去った後、M が John の機嫌をとりなしてやり直しを持ちかける場面。でも、私が観た日(11月25~27日)はこのように John は顔を上げてはいなかった。もうずっと頭を抱えて鼻をずるずるしてうつむきっぱなし・・・。時間にするとかなりの時間 下を向いていたのではなかろうか・・・?(この写真が撮られたのは、プレスナイトの日。確か11月19日。舞台は生もの。どんどん進化していく・・・・・)

M がデザートの用意をして(或いはいたたまれず身を隠し)キッチンにいる間から、W と F にこれからどういう道を選ぶのか、平たく言えば M と W のどちらとやっていくのかの人生最大の決断を迫られる。M が戻ってくるが、チーズケーキどころではない場の雰囲気・・・・・。

もう John の口は貝のように開かない。他の3人固唾をのんで John の口から出る言葉を待つが、とうとう何も出ては来ない。

W はとうとう業を煮やし、去ろうとする。「帰る前にお願い!一度でいいから私を見て!」との心底の懇願にも John は応えようとはしない・・・・・。後ろ髪を引かれるように行ってしまう W。
(この辺、W 役のキャサリンも渾身の演技!)
それでも下を向いて鼻をすすっているだけの John。頭を上げることはできない。

気まずい雰囲気に F が M に「私は帰った方がいいかい?それとも泊まっていこうか?」と聞く。M は「泊まっていって」と頼む。M と John 二人にした方がいいと別室に去る前に「私は二人とも愛してるからね」と言葉を残す。

二人になって M は John に「子どもがほしかったら、色んな手段はあるよ」とか、John がW と夢見たことの提案をあの手この手で持ちかける。やさしくしてみたり、おどけてみたり・・・。
それでも John は泣いたまま。どうしても自分で答えを出すことはできそうにない。

少しして、「頼むから奥の部屋に引っ込んで、僕を一人にして考えさせてくれないか?その方がよく考えられそうだから・・・」とやっとのことで言葉を発する John。でもまたすぐに頭を抱えてうつむく・・・・・。

M もわかっていて、「それが君の genetic laziness (遺伝子学的怠惰さ)なんだよ」みたいな決定打。それでも、次の瞬間には John が顔を上げてここに残ると言ってくれるのを期待もしている。

終盤 M のこの期に及んで無粋なセリフ。「この部屋を出る前にクッションを持って、電気を消すのを忘れないように・・・」(John を奮い立たせるためにわざとなのか、M の几帳面さを強調するためなのか・・・。)

そしてM 自ら 「Yes」 と John が返事した真似 ・・・・。John の応答はなし・・・・・。
M  「Say it(そう言って)」・・・・・。(もうすでに M 役のアンドリューの目にも涙。)
(それから何度もニュアンスを変えた) Say it. (何度も何度も・・・。) Say it. Say it. ・・・・・・・ 
(もう、この辺 観客の胸もつぶれそう!) ・・・・・ Say it.
・・・・・・ Say it. ・・・・・(最後の) Say it.

(幕=lights off)

役者の上手さについて語りたいので、まだつづく・・・
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-10 21:35 | 舞台

『Cock 』 を観る その5

S☆Xシーンの大笑い
さて、題名 ‘Cock’ のこの舞台の最大の見せ場?John と W のセックスシーンだが、とにかく笑わせてくれる。
まず、ステージに対角線上に立っている二人が徐々に距離を縮めて近づいていく過程で、数々の小憎い表現の連続。ピロー・トークのはずが、観客はいつのまにかそれも忘れ、二人のスタンダップ・コメディのような絶妙なやり取りに乗せられて興じるのである。そうしながらもそれが艶めかしい場面だというところにも戻ってこなくてはならない・・・(この辺りは脚本が白眉)。その切り替えもたたみ掛けも言葉選びも絶妙なのである。この辺は脚本の上手さに加えて、演出家と役者のそれぞれの技量の最大のコラボレーションといったところだろう・・・☆
c0218664_148170.jpg


John 今まで全く男性の身体しか見てこなかった。でも今、今この瞬間を何と言ったらいいんだろう?
W   何って?
John 何というか、とにかくすてきだ!
W   ‘Travelodge トラベロッジ’ みたいな感じ?適当に心地よくってお手軽なホテルの部屋に着いた!みたいな?
John 違う!形だよ!そこから何かを感じる・・・!
W   よかったら触っていいのよ。難しかったら、ビギナーズガイドをひも解くように・・・。
でも・・・。繊細に・・ ね・・・。
John そ、そんなにヘアーがあるものだとは思わなかった・・・
W   多い方じゃないわ・・・
John 違う、そういう意味じゃなくて・・・・
W   もし何なら、私を男性と思ってトライしてみても構わないわ・・・その方がやり易かったら・・・・
John いやそういうことじゃない!・・・どう言ったらいいんだろう・・・・?・・・・・う~ん・・・・
W   AAAHHH
John えっ? 今のはいい意味のaaahhh なの? それとも悪い意味?
W   いい意味よ。今のはちょっと・・・何ていうかあなたのその・・・今、具体的には何をしようとしたの?
John 自分でもわからない・・・
W   違うわ、あ、止めないで・・・。止めないで!ちょっと変わってるけどそんな意味で言ってるんじゃないの。ただ、何だか私、科学の実験台になったような気がしてきた・・・。あなた、私の身体のどこがどう 反応するのか刺激を与えながら探っているような・・・・うぅぅ~・・!
John  じゃ、こんな丸描くとかは・・・
W    丸?・・・・・いいわ。いい!
John  じゃあ、これは・・・?

・・・・・・・・・・ 
などなどと、もう可笑しい会話は続くのでありますが、ここに延々と全部載せてしまっていいものかどうか・・・?この後、in とか、hard とか、up とかのキーワードが出てくるほか、もう3箇所くらいの爆笑描写の山場があります。
とにかく洒落ていて、小憎い会話センスには脱帽です♪

ベンと W を演じるキャサリンが、このセリフを大真面目に演じている中、合間、合間に観客の大爆笑が入るわけだが、その集中力たるや如何ほどのものかと思う。涼しい顔をしてあれだけの笑いを取るのも脚本もさながら、さすがの演技力 + コメディ・センスである ♪♪♪


つづく
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-10 14:11 | 舞台

『 Cock を観る 』 その4

シンプルな装置と演出
c0218664_16471948.jpg
装置と小道具が全くないというのはお伝えしましたが、音楽も全く流れません。照明も最初から観客席もステージもてかてかに電気を点けたままで客席は明るく、観客の顔もばっちり見えたまま。スポットライトもなければ、明暗やカラーでニュアンスをつけるという演出も一切ありません。カーテンのようなもので覆ったり、仕切ることもありません。とにかくむき出しの明るいステージにただ役者がいて演技し、あるのは、ひとつの‘ポ~ン’というチャイム音が唯一場面転換の合図であり音響効果。

セリフでも、John が Kiss me と言ったあとも、実際にキスはせず、少しの間の後でThank you という言葉が返って、観客は、ああ、したのだ… ということがわかります。(実際、M とも W ともチュッ、チュッと立て続けに軽く3、4回するのは1回ずつあったけれど、ディープなものは会話上だけ。)

M がキッチンで料理の用意をしていることになっている間、「今日の料理には赤がいいか、白がいいか」などとの会話のあと、John が Wと F にワインを注ぐシーンもあるけれど、注ぐジェスチャーもなければ、グラスを掲げて口に運ぶなどの身振りもありません。コートの脱ぎ着もただ会話上だけで、実際コートも着ていません。

それだけに、観客のイマジネーションは大いに膨らみ想像の世界を楽しむことができます。


現代的センスあふれるセリフ、アイロニカルな会話

M に好きになった女性はどんな人なのかと聞かれ、John は苦し紛れにShe is manly と答える。‘manly=男っぽい’――John の M を傷つけたくないやさしさと、裏返せばことを荒立てたくない、ずるさからくる緩衝材としての嘘だったのだが、それがあとあとまで F(Father)も含み大笑いを巻き起こす。

c0218664_18352134.jpg「男っぽいって?背が高くて手が大きいとか?肩幅が広い?Penisでもあった?」(観客大爆笑!)と M に問いつめられる。John はもうこの段階で自分の発した言葉への責任は放棄している。
W が会食にやってくる。「ご免なさい。男っぽくしようと頑張ったんだけど、やっぱり頭は剃れなかったし、選んだGパンもこんなへんなのよ!」と申し訳なさそうでもあり半ばやけでもある。(無論、実際の服装はフェミニンなワンピースのままである。)

その他、John が W と将来の夢を語り合う中に「パリに旅行して、家を探して IKEA の家具を二人で選びに行って、最初の子どもがJackで次の子がCatherineでクリスマスには丸いテーブルに孫もみんなで集まって・・・・・」というのが出てくる。(およそ今までのベンの役柄からは想像できない家庭的な会話で新鮮だった。)

John が M への不満をぶちまけ、W の良さを叫びまくるシーンでは、「彼女の料理は母親から伝授された心こもったもので、君が作る気取ったGuardian(新聞の一紙)のレシピからなんかじゃない!」とか、M の「君の話で僕の首はエクソシストのように180度回転しちゃったよ」という言葉。ジム・ヘンソンの『ラビリンス』やBlue Peter という(ピンポンパンのような)子ども向け番組の‘ルド’というキャラクターの名まえが出てきたりもする。

最後の方の、決断を迫られた John がどうしても答えを出せないでいる時、料理と称してキッチンに姿を隠していた M が、悩み崩れる John を尻目に困り果てている W と F のところに「デザートのチーズケーキができた」と持ってくる。そのセリフも「これは John の大好物だからどんな不利な状況のときも、絶好のワイロなんだ」 というもの。でも・・・・・。そのワイロは今回は功を奏するのだろうか・・・・・?


つづく
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-09 16:51 | 舞台

『Cock 』 を観る その3

題名" Cock ” ならではを象徴するセリフ、キュンとくるベンのセリフc0218664_17373228.jpg
さわりは、John が M に<浮気>話を切り出すところから始まる。それがこともあろうに<女性!>ということで、M のショックは幾ばくかと思うが、John としてみれば「こうなっちゃたんだからしょうがない。かえって新しい世界が拓けて自分はわくわくしている」くらいに思っている。でも、M のことを好きなことには変わりはない。それが解っていて M がいちゃいちゃしようと近づくと、Johnは「近づかないで!距離を保ってそこに置物の犬のように立ってて!」とか、「僕のために服を脱いで身体をもう一度よく見せてみて」などとねだり、自分の M への気持ちを客観的に見極めようと努める。「おしりの引き締まったその部分が好き」とか、その時、M のあそこが反応して、“象みたい”とエロい状況になってきたりして結局冷静な判断はできない。c0218664_17405693.jpg(この辺りも全てセリフのみで進行し、実際に服を脱いだりはしない。)

形勢が不利になると、上目使いに”Kiss me” と M に甘えてみたり、W が「あなたみたいな人、どうして好きになっちゃったのかしら?!」というくだりがあって、John はすかさず(ちょっと鼻にかかったような声で) ”my eyes!” とはさむ。「目なんだ!他は特にハンサムとは言われないけど、目がいいってみんな言うんだ!」と憎いことを言ったり、M に、「言っとくけど、君は自分で思っているよりいい男じゃないよ。僕がいてラッキーなんだよ、わかってる?」などとしたたか。見た目にゲイらしい服装も化粧もしていない分、このような会話でコケティッシュさ、チャーミングさを醸し出していた。
セックスでは M とはそれほどよくなかったということなのか、W とのセックスがよかったと「彼女のvagina を触ったり見たり・・・それが歓びだ」みたいなことを大声で叫ぶJohn。
この辺全体を題して ultimate bitch fight!(究極のメス犬対決!=痴話げんか)

c0218664_2083727.jpgさて、クライマックス?の W とのセックスシーンだが、観客はここでも度肝を抜かれる。
先に述べたように家具は一切ないので当然ベッドもない。会話だけで、徐々にたたみ掛け、盛り上がりは、丸いステージに対角線上に相対して立っている位置から、二人ゆ~っくり、ゆ~っくりとリズムを合わせて横にスウィングしながら、次第に弧を縮めていく。会話もゆ~っくりたゆたうように W が女性経験初めての John を導いていく。

そして最後の瞬間はおでこをくっつけながら、ahh とか oh とか yes!の短い言葉。
その合間に大笑いの会話が入る。

つづく
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-08 19:37 | 舞台

『Cock 』 を観る その2

c0218664_20261198.jpg一幕: M(Man)とJohnの関係が見えてくる。そこに女性の存在が現われたと知らされる。

二幕: W(Woman)を交え、どちらを選ぶか、三人でアパートで食事しながら話をしようということになる。W との関係の回想(再現)。クライマックスの 'Cock' を象徴するともいえる John と W とのセックス。

三幕: 会食に M の父 F(Father)もやってきて、John の決断が迫られる。プライベートなことに父親まで呼んだ怒りで、今まで我慢していた John の全ての不満が噴き出す。
     
・・・・・・・・・・

M は料理も得意で色々なことにきちんとしていて、ちょっとだらしない John のことを弟扱いしている。John はその関係に居心地の悪さを感じ始めていて、ちょっと距離を置くことにしたときに、ゲイだと思っていた自分が初めて W(女性)を好きになる。W とは知り合って二週間。John は放っておけないコケティッシュな魅力を持っているらしく、M からは’Puppy’、W からは 'Sugar' と呼ばれる。

M とは七年めの浮気(?)ともいえるのだろうか。倦怠期。上下関係への嫌気。女性の身体を初めて知った歓び。M とは考えもしなかった、家も買って家族も持ってと・・・将来への希望。だが、知り合って二週間で云わば、未知の世界へ飛び込んでしまっていいのだろうか?

何もかも完璧に近く、頼りになって、身体の every inch さえも好きな M への気持ちは今も変わらない・・・・・。七年間の同棲で情も移っている。でも、やさしくて、自分を立ててくれて身体の相性も合って家族を持っても幸せになれそうな W との将来も捨てがたい・・・・・。その狭間で揺れる John。


ベンの演技

例えば10行以上ある長ゼリフも、とんでもなくリズムがあって調子があってカラフルで字で見ると黒々しているところが、ベンがしゃべると、とにかく立体的で七色どころか十色くらいに感じられて音楽的で絵画的。そこだけでも小宇宙!!!その一瞬に地球の裏側にさえ行って帰ってくるくらいの演技!

全体的に彼の特徴である、(どこかで‘バターのよう’とも形容された)ちょっとかん高くなめらかで艶のあるすべりのいい声を堪能することができる。(私は‘ベルベットのよう’と思っている)

口角泡をとばし早口で捲くし立てても、割舌(articulation)は完璧で、言いよどむどころかまだまだ余裕がある感じ。溜めも、間も、抑揚も、起伏も、低い声でのつぶやきも、沈黙の表情も、相手との呼吸もどれをとっても絶品!

この John もベンがやらなければ、普通の若いだめ男があんなに深く悩むのがあそこまでリアルすぎるほどリアルには伝わってこなかったと思う。(ある一瞬、私はいつの間にかハムレットの独白と重ね合わせていました。)

・・・・・・・・・・

このベンの演技の上手さを讃えるのに色々言葉を選んでみたけど、充分に言い当てられるのが見つからない!
amazing, marvelous, incredible, wonderful, fabulous, awesome, awful, insane, mad, magical, crazy, ridiculous, tremendous, fantastic, lunatic, frantic, frenzy・・・・・これらの言葉を総称して、神がかり、宇宙的とでも言ってしまった方がいいのか・・・? 自分で言葉を作って ‘treBENdous’ とでもしておこうか・・・・・?
それほどこの世のものとは思えない、今までどこでも見たことのない至上の演技 ♪♪♪

つづく
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-07 21:02 | 舞台

ベンのロンドンの舞台 『Cock』 を観る その1

色々と書きたいことはあるのですが、今日のところは全体像とあらましを・・・・・

c0218664_10301282.jpgすごく完成度の高い脚本でした!
(9日で書いたとのことで、勢いもあり・・・・・)
全三幕。1時間半ちょっと。構成もしっかりしていて、しゃれて気の利いたセリフ満載。
役者の上手さもあり中盤ダレることもなく
笑って笑って、最後泣いて・・・・・あっと言う間の1時間半 ♪

ベンは、その間一度も袖に引っ込まず、出ずっぱり。セリフも4人の出演者がいる中で半分以上はベンが語っているのではないかというくらい次から次へと滔々とセリフを捲くし立てる 私が求めていたスタイル!

演劇の原点!というほど簡素な舞台。
パイン材で円形に作られた3段のひな壇が客席。(客席数約80席程度?)
その間を3ヶ所、バウムクーヘンのように階段のところが切れていて、
2ヶ所 袖(兼 出入り口)となる通路がある。

そのクーヘンの穴部分=緑の丸いマットが敷かれた役者が演技するスペースは、大きさでいうと相撲の土俵よりも小さいくらいかもしれない。なので、3回観たうち3回とも一番下の段の通路近くに座った私は、出演者に手が届きそうなくらいの近さで観ることができました。
その距離80cmくらい・・・・・。
(ベンが観客側を向いていれば唾もこっちに飛んできたでしょう・・・笑)

それから一番の驚きは、装置、家具、小道具などが一切ないこと。
役者は身ひとつ。着ている衣装のみが唯一、役のキャラクターを物語っている。
終始立って演技をして、役者間の間(スペース)とセリフのみで状況を表現する。
(ベンは、頭抱えて座り込んだり、床に寝っ転がって悩むシーンがある)

――――――――――

ベン扮する John は、仕事は何をしているのかわからない(多分、現代的なネット系?と勝手に推測)。風来坊っぽい柄ものシャツに黒い細身のGパンにスニーカー。髪はボサボサ。

7年間一緒に暮らしているらしい、John の彼 M(Man)は、ブランドものらしいシンプルな仕立てのいい紺のシャツにブルージーンズ+茶の革のベルトに革の靴。髪も短くきれいにカット。ちょっとリッチな証券マンというステータスを物語っている。ちょっと高そうな二人で住んでるフラットも彼の持ち物らしい。

知り合って二週間らしい彼女 W(Woman)は、グレーがかった茶の地に白の水玉のシフォン・ジョーゼットのワンピース。髪はきれいにアップにして、靴はヒールのない、甲に花のコサージュ的飾りの付いたフェミニンなもの。23歳で一度結婚して2年ですぐ離婚して、以前はシティの観光ガイドをしていたが、今は学校のteaching アシスタントをしているという設定。28歳というのがセリフから判ってくる。

*****
"Cock"とは男性のあそこの部分のこと。これを堂々とタイトルにするというだけでも、作者の洒落と風刺精神が伺える。
さて、お話はこの7年間の同棲でどうやら倦怠期を迎えて、John がちょっと M と距離を置きたくなった矢先、初めて女性 W に惹かれ関係を持つところから展開していきます。

つづく

"Cock"
Director: James Macdonald
Written by Mike Bartlett
Casts: Paul Jesson, Katherine Parkinson, Andrew Scott and Ben Whishaw
13 Nov - 19 Dec
JERWOOD THEATRE UPSTAIRS
The Royal Court Theatre
[PR]
by ulala1014cat | 2009-12-06 11:44 | 舞台