イギリスの俳優ベン・ウィショーの情報やベンについて。映画, 文学、美術、音楽、自然・・・ベンに通じると思われる美しいものすべて。副題はジョン ・ キーツの詩「エンディミオン」冒頭 より
by ulala1014cat
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カテゴリ:詩( 10 )

Juliet さんもライダージャケットをお召しだった ☆

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しかも、水 Evian じゃなかった
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by ulala1014cat | 2014-10-10 00:07 |

ベン・ウィショーの愛読詩人 Jelaluddin Rumi   カレンダーの言葉

* Marchc0218664_417332.jpg

There is a force within
that gives you life ― seek that.

In your body there lies a priceless
jewel ― seek that.


If you are in search of the greatest treasure,
don't look outside, look within, and seek that.



*******

なんと美しく、希望に満ちた托言なんだろう☆

(偶然にも最近 宝石についてのちょっとした文章を書くことがあり、
そして下の2行の通りのことがここ1ヶ月私の身辺にも起こっていて・・・
そのシンクロにも驚いています ♪)

べ~ン、Rumi に出会わせてくれてありがとーぉ☆*!☆*
(と叫びたい!・・・・・笑)
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by ulala1014cat | 2010-03-01 04:18 |

ベン・ウィショー 朗読 『Words for You』はチャリティの要素があった

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このCDのジャケットを開くと、' I CAN ' という、子どものコミュニケーション力を援助するチャリティ団体に、朗読したアクターのロイヤルティから合計最低£10,000が保障されるという内容が書かれていました。
奥付けのクレジットには、Hallmark も出資したようなことが。(レーベルはUniversal Island)

Representation(代表) の中のエージェントにはベンのところ Hamilton Hodell の名まえもあり、Independent talent ともありましたので、エージェントに所属していないアクターもいるのでしょうか。


何気にやってるさすがベンです ♪ 
最初からそのコンセプトに賛同して仕事を決めたのか、引き受けたら偶然そういうことだったのかはわかりません。ベンのエージェントは本当にいいエージェントらしく、所属俳優の持ち味を大事にし、それを生かした育て方・プロモーションの仕方をしているといいます。

あの吹き込んだベンの朗読を聴くだけでも子どもたちにはいい贈り物になると思うな☆

イギリスはチャリティの国だから、結構何気なくでもそういう仕事は多いのかもしれないけど、
ベンらしく声高に叫ぶでもなく、淡々とそういうお仕事もしてしまっているのが嬉しい。

そういえば以前ベン、故郷ベッドフォードシャーの映画協会のパトロンにもなっているという記事もありました。
http://www.lutontoday.co.uk/news/Actor-backs-Pictures64priory.4672372.jp
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by ulala1014cat | 2010-02-13 23:05 |

ベン・ウィショーの愛読詩人 Jelaluddin Rumi   カレンダーの言葉

* February *
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I have
one small
drop
of knowing
in my soul

Let it
dissolve
in your ocean
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by ulala1014cat | 2010-02-01 02:35 |

ベン・ウィショーの愛読詩人 Jelaluddin Rumi   カレンダーの言葉

*January*
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Be patient.

Respond to
every call that
excites your spirit.

*******

今年の締めは少し格調高く・・・。
来年もよろしく☆☆☆
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by ulala1014cat | 2009-12-31 19:45 |

ウィルフレッド・オーウェン 『冬の詩』

Winter Song
by Wilfred Owenc0218664_12203363.jpg

The browns, the olives, and the yellows died,
And were swept upto heaven ; where they glowed
Each dawn and set of sun till Christmas tide,
And when the land lay pale for them, pale-snowed,
Fell back, and down the snow-drifts flamed and flowed.

From off your face, into the winds of winter,
The sun-brown and the summer-gold are blowing ;
But they shall gleam again with spiritual glinter,
When paler beauty on your brows falls snowing,
And through those snows my looks shall be soft-going. 

October 18, 1917

『 冬の詩 』

<詩訳―その(1)>

茶色いのも、オリーブ色のも、黄色いのも 枯れてしまい
みんな天に吹き上げられてしまった。そこで彼等は
クリスマスの頃まで、太陽が昇るごと、また沈むごとに輝いた。
そして 大地が彼等のために色あせて 白い雪におおわれるとき、
彼等は次第に姿を隠してしまい、
吹きだまりの雪の下で 鮮やかに燃えて朽ちていった。

日焼けた木の葉や 夏の輝きに満ちた木の葉たちは
きみのもとを離れて 冬の風のなかへと吹かれている。
だが さらに色青ざめた美が雪となってきみの額に降り落ちるとき、
これらの枯れ葉たちは 精神の輝きで再び輝くであろう、
そして これらの雪積によって 私の瞳はうるむであろう。

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<詩訳―その(2)>

茶色の軍服の兵士たちも、オリーブ色の軍服の兵士たちも、
                黄色の軍服の兵士たちも 死んでしまい、
みんな 天に召し上げられてしまった。そこで 彼等は
クリスマスの頃まで、太陽が昇るごと、また沈むごとに 輝いた。
そして 大地が彼等のために色あせて白い雪におおわれるとき、
彼等は次第に姿を隠してしまい、
吹きだまりの雪の下で 鮮やかに燃えて、朽ちていった。

日焼けした木の葉や 夏の輝きに満ちた木の葉たちは
きみのもとを離れて 冬の風のなかへと吹かれている。
だが さらに純化された美が雪となってきみの額に降り落ちるとき、
これらの枯れ葉たちは 精神の輝きで再び輝くであろう、
そして これらの雪積によって 私の瞳はうるむであろう。


-----------
 P.B.シェリーの‘Ode to the West Wind’とイメージが重複する詩である。シェリーにあっては、枯れ葉は “ Destroyer ” であると同時に次の世代の命を育む “ Preserver ” である。シェリーはその時代に受け入れられずに額に血を流して大地に死に果てようとしながらも、次の時代に自分の思想が種となって新しい火種を人類にまき散らしてくれとの思いを奔放な風に託したが、オウエンは、このシェリーの詩を下敷きにして、戦場で声もなく死んでいった無名の兵士たちを枯れ葉にたとえて、重層の世界を展開しているように思われる。茶色の枯れ葉はドイツ兵、オリーブ色や黄色の枯れ葉は連合軍の兵士たちであろうか。

 戦場で死んでいった兵士たちには敵も味方もない。戦争は尽きることがないのだろうか。死んで腐葉土となり、新しい思想の(それは先に死んだ兵士たちの養分を吸って、より純粋な美のきらめきで満ちているはずなのだが、)火皿となったはずのものたちの上に、さらに新しい死者たちの枯れ葉がからっ風に舞い、腐葉土の新しい層を形成しようとしている。旗のためでなく、人類が精神の純化された輝きのために自らの意思で自己を犠牲にする戦いの日がくるとき、初めて死者たちの目は潤み、平和とか自由をいう言葉が命を持つのであろうか。

『ウィルフレッド・オウエン』 佐藤芳子(近代文藝社)より


*******

オーウェンのことを調べていて、国会図書館から取り寄せてもらって、近くの図書館で館内閲覧しかできない本から書き取ってきました。(1、2巻に分かれていて、1巻めは普通に借りられるのだけど、2巻めは貸し出しはおろか、コピーも録ってはいけないのだ!)

この詩は時期的にもタイムリーで、美しくもグっと来たので紹介することにしました。オーウェンはジョン・キーツからも大きな影響を受けていますが、この詩はシェリーのものを下敷きにしていて、普通に冬の光景としても読み取ることができるけれども、戦場の光景としてオーウェンの本質を表した<その2>の訳も痛烈です。

このように名もなく戦場で命を落としていった兵士たちのその命の輝きを美として詩の中に昇華させてくれるオーウェンという詩人の存在そのものに感動し、私の目も潤むのである・・・。
ベン、オーウェンを近いものにしてくれてありがとう!

2006年にBBCのラジオ3で、【ウィルフレッド・オーウェン週間】というのがあって、ベンはこのオーウェンの戦争詩を全て朗読したとの情報があるのだけど、どこで再び聴けるのだろうか?『 Words for You 』 の中の一篇だけでは我慢できなーい!録音の事実があるのだからどこかで他の詩も聴ける日がきますように!!!
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by ulala1014cat | 2009-12-26 12:25 |

ベン・ウィショー 英詩の朗読 『Words for You』

11月16日にUKで発売になった英詩の朗読コンピレーションCD 『Words for You 』。
全部で27篇入っている中にベンの朗読が2篇あります。ウィルフレッド・オーウェンの Dulce Et Decorum Est と ジョン・キーツの To Autumn です。他にも英国演劇界の錚々たる役者が朗読していて、聴いているだけでその声と韻律、詩への愛が流れ出てくる感じで、とても幸せになる一枚です。

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バックにクラシック音楽が静かに流れ、品のいい仕上がりになっていると思います。今日、ご紹介するこのオーウェンの詩には、ベートーベンの交響曲第7番の第2楽章が流れてます。




Dulce Et Decorum Est
by Wilfred Owen

Bent double, like old beggars under sacks,
Knock-kneed, coughing like hags, we cursed through sludge,
Till on the haunting flares we turned our backs
And towards our distant rest began to trudge.
Men marched asleep. Many had lost their boots
But limped on, blood-shod. All went lame; all blind;
Drunk with fatigue; deaf even to the hoots
Of disappointed shells that dropped behind.

GAS! Gas! Quick, boys!-- An ecstasy of fumbling,
Fitting the clumsy helmets just in time;
But someone still was yelling out and stumbling
And floundering like a man in fire or lime.--
Dim, through the misty panes and thick green light
As under a green sea, I saw him drowning.

In all my dreams, before my helpless sight,
He plunges at me, guttering, choking, drowning.

If in some smothering dreams you too could pace
Behind the wagon that we flung him in,
And watch the white eyes writhing in his face,
His hanging face, like a devil's sick of sin;
If you could hear, at every jolt, the blood
Come gargling from the froth-corrupted lungs,
Obscene as cancer, bitter as the cud
Of vile, incurable sores on innocent tongues,--
My friend, you would not tell with such high zest
To children ardent for some desperate glory,
The old Lie: Dulce et decorum est
Pro patria mori.

*****
(祖国のために死す、)そは快くも名誉なり

ずだ袋をかついだ老いた乞食のように 腰を折りまげ、
がに股で、鬼婆のように咳きこみながら、われわれは悪態つきつき
ぬかるみを進み、やがて しつこく降りかかる火焔に背を向けて、
はるかに遠方の休息地に向けて とぼとぼと歩き始めた。
兵士たちは眠りながら進軍していた。かれらの多くは靴をなくしてしまい、
血の靴をはいて 足を引きずりながら歩いていた。  みんなびっこになり、目も見えない。
疲れ果てて酔ったようになり、勢いをなくして追い抜かれた毒ガス弾が
背後にヒューと落ちる音さえ 聞こえやしない。

ガスだ!ガスだ!みんな急げ!――無我夢中で手探りし、
やっとのことで どうにか防毒マスクをつける。
だが、誰かが また悲鳴をあげていて、つまずき、
火まみれになったか、鳥もちのなかに落ちたみたいにもがいている……
ぼんやりと、もやったガラス越しに、濃い緑色の光を通じて、
その男が 緑の海の底へ溺れてゆくみたいに 溺れてゆくのが見えた。

私が見るどの夢のなかでも、どうしようもない私の視界のなかで、
その男は 血を流し、息をつまらせ、溺れながら 私に跳びかかってくる。

もし、あなたも何か息苦しい夢を見て、そのなかで、
われわれが彼を放り込んだ無蓋貨車の後から歩いていって
彼の顔のなかで苦しげにもだえている白眼や、
罪に吐き気を催した悪魔のような だらりと垂れた彼の顔を じっと見つめられるなら、
また もし あなたも、車が揺れるたびに 泡立ち腐った肺から
癌のように醜悪で、いまわしい不治のただれを
純真な舌の上で反すうする時のように 苦々しい血が
ごぼごぼと吐き出される音を聞くことができるなら、――
友よ、あなたは、まさか、そんなに熱心に、
必死になにかの栄光を求めている子供たちに 教えはしないだろう、
あの昔ながらの嘘を、「祖国のために死す、そは快くも名誉なり」
という嘘を。

―――――――

ラテン語 Dulce et Decorum est Pro patria mori は、英語では、It is sweet and honorable to die for your country. 日本語では 「祖国のために死す、そは快くも名誉なり」。
(『ウイルフレッド・オウエン戦争詩篇』 佐藤芳子訳 近代文藝社 刊より)

ウィルフレッド・オーウェンは、第一次世界大戦をテーマにした戦争詩人と言われ、『Anthem for Doomed Youth  戦死の宿命にある若者たちへの聖歌』 という詩が代表作。

*****
ベンの声と朗読いいなあ ♪ 最後のラテン語の発音も・・・・・。
ベンの17歳の時の映画デビュー作 『トレンチ 塹壕』 も第一次大戦が舞台で、悲しくはかなく命を落としていく、いたいけな若者たちの姿に胸を締めつけられるような映画でしたが、それと重ね合わせてこの詩を聴くと、本当に本当に心が痛い・・・・・。でも、だからこそ美しい・・・。
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by ulala1014cat | 2009-12-04 20:11 |

ベンの愛読詩人 Jelaluddin Rumi の言葉

先日、知人の誕生日に Rumi の言葉を贈りました。
夏に Glastonbury の書店で買った2010年のカレンダーの冒頭にあったもの。
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Embrace joy

Inspire hope

Cultivate love

Build intimacy

Celebrate life


とても気持ちの良い、前向きになれる言葉・・・・・

*Jelaluddin Rumi: 1207年、ペルシャ帝国下にあったアフガニスタンに生まれた詩人、僧侶。
このカレンダーは、カリフォルニアで出版されたもので、Coleman Barksの英訳。
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by ulala1014cat | 2009-12-03 18:28 |

ベン・ウィショー 舞台 Some Trace of Her に  出てきたエミリー・ディキンソンの詩

ベンがムイシュキン公爵を演じた『Some Trace of Her』は、ドストエフスキーの『白痴』の脚色ですが、エミリー・ディキンソンの詩が8篇出てきます。先日、エミリーの紹介の記事で8篇めを紹介したので、今回は他の7篇を載せます。日本語訳がみつからなかったもの、英語の詩自体がこの舞台の中では短縮されているものなどあります。
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1)
After great pain, a formal feeling comes -
The nerves sit ceremonious, like Tombs -

The feet, mechanical, go round -
Of Ground, or Air, or Ought -
A wooden way
Regardless grown,
A Quartz contentment, like a stone -

This is the Hour of Lead -
Remembered, if outlived,
As Freezing persons, recollect the Snow-
First-Chill-then Stupor-then the letting go-

激しい激痛のあと、形式化した感情が生まれる――
神経は儀式ばって坐る、墓石のように――

足が、機械的に、歩きまわる――
地上の、空中の、それとも何かの――
木の道を
無関心になって、
石英の満足、石さながらに――

いまは鉛の時間――
もし生きのびたなら、思い起こされるだろう、
凍ってゆく人が、雪を思い出すように――
最初は――寒け――それから麻痺――そして一切の放棄――

2)
There's a certain Slant of light,
Winter Afternoons-
When it comes, the Landscape listens-
Shadows-hold their breath-
When it goes, 'tis like the Distance
On the look of Death

斜めに射し込む光があります、
冬の日の午後――
それがやって来る時、風景は耳をそばだてます――
物影は――息をこらします――
それが去って行く時は、はるかな距離のようです
「死」の表情の上の――

3)
Presentiment-is that long shadow on the Lawn-
Indicative that Suns go down-
The Notice to the startled Grass
That Darkness-is about to pass-

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4)
The Loneliness One dare not sound-
And would as soon surmise
As in its Grave plumbing
To ascertain the size-

The Lonliness whose worst alarm
Is lest itself should see
And perish from before itself
For just a scrutiny-

The Horror not to be surveyed-
But skirted in the Dark-
With Consciousness suspended-
And Being under Lock-

I fear me this-is Loneliness-
The Maker of the soul
Its Caverns and its Corridors
Illuminate-or seal-

5)
I saw no Way-The Heavens were stitched-
I felt the Columns close-
The Earth reversed her Hemispheres-
I touched the Universe-

And back it slid-and I alone-
A speck upon a Ball-
Went out upon Circumference-
Beyond the Dip of Bell-

6)
There is a pain-so utter-
It swallows substance up-
Then covers the Abyss with Trance
So Memory can step
Around-across-upon it-
As one within a swoon-
Goes safely-where an open eye-
Would drop him bone by bone
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7)
I heard a fly buzz-when I died-
The stillness in the Room
Was like the stillness in the Air-
Between the Heaves of Storm-

With Blue-uncertain stumbling Buzz-
Between the light-and me-
And then the Wilndows failed-and then
I could not see to see-

蝿がうなるのが聞こえた――わたしが死ぬ時――
部屋の中の静けさは
空の静けさのようだった――
烈しい嵐と嵐の間の――

憂鬱な――あやふやでにぶい羽音とともに――
光と――わたしとの間へ――入って来た
それから窓がぼやけた――それから
見ようとしても何も見えなくなった――

(日本語訳: 『ディキンソン詩集』亀井俊介編(岩波文庫)より)
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by ulala1014cat | 2009-11-18 23:19 |

ベン・ウィショー 『ブライト・スター』、Some Trace of Her 両作品に関連しているエミリー・ディキンソン

ジェーン・カンピオン監督の動画<Jane Campion Barnes & Noble>というインタビューを聴きました。以下主要部分の抜粋訳です。

「映画『Bright Star』 の下敷きとなった伝記は6年前に読んだ Andrew Motion 著“Keats”です」「ヒロイン Fanny Brawne を描くに当たって参考にした女性像は、まず、自分の娘アリス」なのだそうです。「生きて動き回っている人物が周りにいるのはとても助けになる」とこれは以前から語っていました・・・。「アリスは13歳ですが、文才があり、機知に富んでいます。情熱的で堂々としています」
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その他に『ミドルマーチ』のイギリスの女流作家ジョージ・エリオットを「人間の本質を追及した驚くべき思索家で素晴らしい女性」

                                            
『ジェーン・エア』『嵐が丘』のブロンテ姉妹を「自分の育ったニュージーランドとは違う素晴らしい風景を背景にした作品にはとても想像力をかき立てられる」


                                    ジョージ・エリオット(1819-1880)

そして最後にアメリカの女流詩人エミリー・ディキンソンのことを「とても独創的で卓越している」と語っています。
(訳部分おわり)
*******
エミリー・ディキンソンはベンの出た、これもまた女性演出家ケイティ・ミッチェル演出の舞台『Some Trace of Her』(ドストエフスキー『白痴』の脚色)にも彼女の詩が8篇も出てきていました。

映画『エンジェル・アット・マイ・テーブル』のジャネット、『ピアノ・レッスン』のエイダ、『イン・ザ・カット』のフラニー・・・と、ジェーン・カンピオン監督は徹底してフェミニズムにこだわった映画を撮ってきていますが、今回の『Bright Star』も、ロマン派の詩人ジョン・キーツ(1795‐1821)の恋人であったファニー・ブローンの視点で描かれた恋愛映画です。
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                   ファニー・ブローン(1800‐1865)

*******
ディキンソンの詩

I died for Beauty – but was scarce
Adjusted in the Tomb
When One who died for Truth, was lain
In an adjoining Room –

He questioned softly ‘Why I failed’?
‘For Beauty’, I replied –
‘And I – for Truth – Themselves are One -
We Brethren, are’, He said -

And so, as Kinsman, met a Night –
We talked between the Rooms-
Until the Moss had reached our lips -
And covered up - our names -

わたしは「美」のために死んだ――が
墓に落ちつく間もなく
「真」のために死んだ人が、横たえられた
隣りの部屋に――

彼はそっと疑問をもらした、「どうして失敗したんだろう?」
「「美」のためよ」とわたしが答えた――
「いやぼくは――「真」のため――けれどこの二つは一つ――
兄弟だよ、ぼくたちは」と彼はいった――

それで、ある晩会った、親類として――
わたしたちは部屋ごしに話し合った――
やがて苔が唇にせまり――
おおいつくすまで――わたしたちの名を――

(『ディキンソン詩集』亀井俊介編(岩波文庫)より)

この詩は、キーツの『Ode on a Grecian Urn』(『ギリシャの壷のオード』)に影響を受けていると言われていて、『Some Trace of Her』に出てくる8篇めのものです。

エミリーは一生独身を通し、わずか10篇の作品を発表しただけで無名のまま生涯を終えたそうです。没後1700篇ほどの作品が発見され、『草の葉 Leaves of Grass』のウォルト・ホイットマンと並ぶ、アメリカを代表する詩人。“夢をはらむ孤独者”とも呼ばれていたようです。
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*******
以下はウィキペディアよりの引用:

「彼女はプロの詩人でも、アマの詩人でもない。他の女性が料理や編み物をするのと同じように飽きもせず、個人的な詩を書いていたのである。彼女の言葉を使う天賦の才能や彼女が生きた時代の文化的な苦境が、彼女を、背もたれカバー作りではなく、詩作に駆り立てたのである。」(R.P.Blackmur 1937年)
                   
                                   エミリー・ディキンソン(1830-1886)

「死に際し、家族は800以上の詩が記された手とじの本40冊を発見した。
エミリーの詩は、他の詩人の作品とは異なっていて、しばしば一目で見分けがつく。バラードと賛美歌の韻律を作る才能、草稿に見られるダッシュの多用と型にはまらない大文字の使用、風変わりな語彙と比喩的描写などにより、独特の叙情詩を作っている」

*******
キーツがファニーに送った手紙は確か33通が現存しているそうですが、ファニーがキーツに送った手紙は、キーツが生前自分で全部焼いてしまったということで、(キーツの妹=同じくファニー・キーツ宛てのものはあるようですが)残っているものがなく、カンピオン監督はファニーの人物像を描き出すのに上記の女性たちを参考にしたのですね。
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by ulala1014cat | 2009-11-15 16:29 |