イギリスの俳優ベン・ウィショーの情報やベンについて。映画, 文学、美術、音楽、自然・・・ベンに通じると思われる美しいものすべて。副題はジョン ・ キーツの詩「エンディミオン」冒頭 より
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ウィルフレッド・オーウェン 『冬の詩』

Winter Song
by Wilfred Owenc0218664_12203363.jpg

The browns, the olives, and the yellows died,
And were swept upto heaven ; where they glowed
Each dawn and set of sun till Christmas tide,
And when the land lay pale for them, pale-snowed,
Fell back, and down the snow-drifts flamed and flowed.

From off your face, into the winds of winter,
The sun-brown and the summer-gold are blowing ;
But they shall gleam again with spiritual glinter,
When paler beauty on your brows falls snowing,
And through those snows my looks shall be soft-going. 

October 18, 1917

『 冬の詩 』

<詩訳―その(1)>

茶色いのも、オリーブ色のも、黄色いのも 枯れてしまい
みんな天に吹き上げられてしまった。そこで彼等は
クリスマスの頃まで、太陽が昇るごと、また沈むごとに輝いた。
そして 大地が彼等のために色あせて 白い雪におおわれるとき、
彼等は次第に姿を隠してしまい、
吹きだまりの雪の下で 鮮やかに燃えて朽ちていった。

日焼けた木の葉や 夏の輝きに満ちた木の葉たちは
きみのもとを離れて 冬の風のなかへと吹かれている。
だが さらに色青ざめた美が雪となってきみの額に降り落ちるとき、
これらの枯れ葉たちは 精神の輝きで再び輝くであろう、
そして これらの雪積によって 私の瞳はうるむであろう。

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<詩訳―その(2)>

茶色の軍服の兵士たちも、オリーブ色の軍服の兵士たちも、
                黄色の軍服の兵士たちも 死んでしまい、
みんな 天に召し上げられてしまった。そこで 彼等は
クリスマスの頃まで、太陽が昇るごと、また沈むごとに 輝いた。
そして 大地が彼等のために色あせて白い雪におおわれるとき、
彼等は次第に姿を隠してしまい、
吹きだまりの雪の下で 鮮やかに燃えて、朽ちていった。

日焼けした木の葉や 夏の輝きに満ちた木の葉たちは
きみのもとを離れて 冬の風のなかへと吹かれている。
だが さらに純化された美が雪となってきみの額に降り落ちるとき、
これらの枯れ葉たちは 精神の輝きで再び輝くであろう、
そして これらの雪積によって 私の瞳はうるむであろう。


-----------
 P.B.シェリーの‘Ode to the West Wind’とイメージが重複する詩である。シェリーにあっては、枯れ葉は “ Destroyer ” であると同時に次の世代の命を育む “ Preserver ” である。シェリーはその時代に受け入れられずに額に血を流して大地に死に果てようとしながらも、次の時代に自分の思想が種となって新しい火種を人類にまき散らしてくれとの思いを奔放な風に託したが、オウエンは、このシェリーの詩を下敷きにして、戦場で声もなく死んでいった無名の兵士たちを枯れ葉にたとえて、重層の世界を展開しているように思われる。茶色の枯れ葉はドイツ兵、オリーブ色や黄色の枯れ葉は連合軍の兵士たちであろうか。

 戦場で死んでいった兵士たちには敵も味方もない。戦争は尽きることがないのだろうか。死んで腐葉土となり、新しい思想の(それは先に死んだ兵士たちの養分を吸って、より純粋な美のきらめきで満ちているはずなのだが、)火皿となったはずのものたちの上に、さらに新しい死者たちの枯れ葉がからっ風に舞い、腐葉土の新しい層を形成しようとしている。旗のためでなく、人類が精神の純化された輝きのために自らの意思で自己を犠牲にする戦いの日がくるとき、初めて死者たちの目は潤み、平和とか自由をいう言葉が命を持つのであろうか。

『ウィルフレッド・オウエン』 佐藤芳子(近代文藝社)より


*******

オーウェンのことを調べていて、国会図書館から取り寄せてもらって、近くの図書館で館内閲覧しかできない本から書き取ってきました。(1、2巻に分かれていて、1巻めは普通に借りられるのだけど、2巻めは貸し出しはおろか、コピーも録ってはいけないのだ!)

この詩は時期的にもタイムリーで、美しくもグっと来たので紹介することにしました。オーウェンはジョン・キーツからも大きな影響を受けていますが、この詩はシェリーのものを下敷きにしていて、普通に冬の光景としても読み取ることができるけれども、戦場の光景としてオーウェンの本質を表した<その2>の訳も痛烈です。

このように名もなく戦場で命を落としていった兵士たちのその命の輝きを美として詩の中に昇華させてくれるオーウェンという詩人の存在そのものに感動し、私の目も潤むのである・・・。
ベン、オーウェンを近いものにしてくれてありがとう!

2006年にBBCのラジオ3で、【ウィルフレッド・オーウェン週間】というのがあって、ベンはこのオーウェンの戦争詩を全て朗読したとの情報があるのだけど、どこで再び聴けるのだろうか?『 Words for You 』 の中の一篇だけでは我慢できなーい!録音の事実があるのだからどこかで他の詩も聴ける日がきますように!!!
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by ulala1014cat | 2009-12-26 12:25 |
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