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ベン・ウィショー 英詩の朗読 『Words for You』
11月16日にUKで発売になった英詩の朗読コンピレーションCD 『Words for You 』。
全部で27篇入っている中にベンの朗読が2篇あります。ウィルフレッド・オーウェンの Dulce Et Decorum Est と ジョン・キーツの To Autumn です。他にも英国演劇界の錚々たる役者が朗読していて、聴いているだけでその声と韻律、詩への愛が流れ出てくる感じで、とても幸せになる一枚です。 バックにクラシック音楽が静かに流れ、品のいい仕上がりになっていると思います。今日、ご紹介するこのオーウェンの詩には、ベートーベンの交響曲第7番の第2楽章が流れてます。 Dulce Et Decorum Est by Wilfred Owen Bent double, like old beggars under sacks, Knock-kneed, coughing like hags, we cursed through sludge, Till on the haunting flares we turned our backs And towards our distant rest began to trudge. Men marched asleep. Many had lost their boots But limped on, blood-shod. All went lame; all blind; Drunk with fatigue; deaf even to the hoots Of disappointed shells that dropped behind. GAS! Gas! Quick, boys!-- An ecstasy of fumbling, Fitting the clumsy helmets just in time; But someone still was yelling out and stumbling And floundering like a man in fire or lime.-- Dim, through the misty panes and thick green light As under a green sea, I saw him drowning. In all my dreams, before my helpless sight, He plunges at me, guttering, choking, drowning. If in some smothering dreams you too could pace Behind the wagon that we flung him in, And watch the white eyes writhing in his face, His hanging face, like a devil's sick of sin; If you could hear, at every jolt, the blood Come gargling from the froth-corrupted lungs, Obscene as cancer, bitter as the cud Of vile, incurable sores on innocent tongues,-- My friend, you would not tell with such high zest To children ardent for some desperate glory, The old Lie: Dulce et decorum est Pro patria mori. ***** (祖国のために死す、)そは快くも名誉なり ずだ袋をかついだ老いた乞食のように 腰を折りまげ、 がに股で、鬼婆のように咳きこみながら、われわれは悪態つきつき ぬかるみを進み、やがて しつこく降りかかる火焔に背を向けて、 はるかに遠方の休息地に向けて とぼとぼと歩き始めた。 兵士たちは眠りながら進軍していた。かれらの多くは靴をなくしてしまい、 血の靴をはいて 足を引きずりながら歩いていた。 みんなびっこになり、目も見えない。 疲れ果てて酔ったようになり、勢いをなくして追い抜かれた毒ガス弾が 背後にヒューと落ちる音さえ 聞こえやしない。 ガスだ!ガスだ!みんな急げ!――無我夢中で手探りし、 やっとのことで どうにか防毒マスクをつける。 だが、誰かが また悲鳴をあげていて、つまずき、 火まみれになったか、鳥もちのなかに落ちたみたいにもがいている…… ぼんやりと、もやったガラス越しに、濃い緑色の光を通じて、 その男が 緑の海の底へ溺れてゆくみたいに 溺れてゆくのが見えた。 私が見るどの夢のなかでも、どうしようもない私の視界のなかで、 その男は 血を流し、息をつまらせ、溺れながら 私に跳びかかってくる。 もし、あなたも何か息苦しい夢を見て、そのなかで、 われわれが彼を放り込んだ無蓋貨車の後から歩いていって 彼の顔のなかで苦しげにもだえている白眼や、 罪に吐き気を催した悪魔のような だらりと垂れた彼の顔を じっと見つめられるなら、 また もし あなたも、車が揺れるたびに 泡立ち腐った肺から 癌のように醜悪で、いまわしい不治のただれを 純真な舌の上で反すうする時のように 苦々しい血が ごぼごぼと吐き出される音を聞くことができるなら、―― 友よ、あなたは、まさか、そんなに熱心に、 必死になにかの栄光を求めている子供たちに 教えはしないだろう、 あの昔ながらの嘘を、「祖国のために死す、そは快くも名誉なり」 という嘘を。 ――――――― ラテン語 Dulce et Decorum est Pro patria mori は、英語では、It is sweet and honorable to die for your country. 日本語では 「祖国のために死す、そは快くも名誉なり」。 (『ウイルフレッド・オウエン戦争詩篇』 佐藤芳子訳 近代文藝社 刊より) ウィルフレッド・オーウェンは、第一次世界大戦をテーマにした戦争詩人と言われ、『Anthem for Doomed Youth 戦死の宿命にある若者たちへの聖歌』 という詩が代表作。 ***** ベンの声と朗読いいなあ ♪ 最後のラテン語の発音も・・・・・。 ベンの17歳の時の映画デビュー作 『トレンチ 塹壕』 も第一次大戦が舞台で、悲しくはかなく命を落としていく、いたいけな若者たちの姿に胸を締めつけられるような映画でしたが、それと重ね合わせてこの詩を聴くと、本当に本当に心が痛い・・・・・。でも、だからこそ美しい・・・。
by ulala1014cat
| 2009-12-04 20:11
| 詩
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